日暮里繊維街の歩き方

日暮里繊維街の歩き方

東京表参道の初心者向け洋裁教室こんにちは、”美人服”洋裁師の山﨑ゆきこです。着る人を美人に見せる”美人服”を作る洋裁師として、型紙ショップ洋裁サロンを運営しています。

こちらのブログでは、洋裁を気軽に楽しんでいただくために、洋裁のお役立ち情報やレシピなどをご紹介しています。

今回は、ソーイングファンの聖地、日暮里繊維街についてご紹介したいと思います。

山手線の日暮里駅近くには、何十軒もの生地店が所狭しと並んでいます。全国からたくさんの人がやってるくる理由は、生地の種類の豊富さと値段にあります。日暮里の生地は、既製品メーカーから余剰分を買い取ったものなどが多く、一般の手芸店では流通していない洋服用の生地が安価で販売されています。

あまりに店の数が多いので、一日ですべてを見て回るのは不可能です。目的をはっきりさせないままに出かけてしまうと、疲れただけで何も買えなかったという結末に。効率よく街を巡るためには、出発前の準備が大切です。では、日暮里繊維街の歩き方をご紹介します。

 


準備

日暮里を攻略するには、準備が大切!

なんとなく掘り出しものを探しに行っても、疲れるだけ。予め欲しいものをはっきりさせておくことが肝心です。どんな用途でどんな生地が必要なのか、出かける前に必ずイメージしておきましょう。

問屋的な雰囲気のお店も多く、親切に答えてくれる店員さんはほとんどいません。用尺や生地の性質などを出発前にきちんと計画して、メモを持参することが肝心です。特に用尺についての質問はタブー。過不足があればクレームの原因になるので、店員さんは明確に答えてくれません。

準備1. アイテムを決める

  • デザイン
  • 季節感

洋服は衝動的に買うことができますが、生地を選ぶのは大変です。頭をフル稼働させないといけないので、すぐに疲れてしまいます。アイテムを予め決めてから買い物に行きましょう。

アイテムを考えずに、気に入った生地を買っていると、すぐに家の収納がいっぱいになってしまいます。余計なものを買わないようにするためにも、作るものを決めておくのが大切です。

 

準備2. 生地をリストアップ 

  • 素材   
  • 用尺

欲しい生地をリストにしましょう。用尺は予め見積もっておきます。

 

準備3. 店をリストアップ

  • 5店まで
  • 回る順番は小さい店→大きい店

駅を降りて片っ端から見て回ると、目当ての店にたどり着きません。3〜5件にあたりを付けて、そこだけを訪れるようにしましょう。

小さい店から見て回るものポイントです。最初に品数の多いトマトなどに行ってしまうと、それだけでお腹いっぱいなります。小さい店で目当てのものが無かった時だけ、大きな店に行って探す方が効率的です。

 


おすすめショップ

N0.1 長戸商店

     出典:日暮里繊維街へ行こう

大きな店ではありませんが、品揃えとコスパが群を抜いています。店員のおじさんも親切で、混み具合もほどほど。既製服メーカーからの余り生地が多いので、服地に最適な素材が見つかります。

日暮里に着いたら、まずはここからスタートしてみましょう。本館、別館、2号館の3店舗あります。セールハガキの登録も忘れずに。

長戸商店 03-3806-0007 日、祝定休

 

No.2 トマト

出典:日暮里繊維街へ行こう

日暮里に数店舗展開する大型ショップ。特殊な生地も扱っていて、種類の豊富さは随一です。店員さんが無愛想なのが残念。

服地は本店ではなく、セレクト館がオススメです。住所を登録をすると、セール期間中10%OFFになるハガキが送られてきます。

トマト本館  03‐3895‐2366 日、祝定休

 


生地別おすすめショップ

◉綿プリント

✔️長戸商店 本店

種類はそれほど多くありませんが、プリントのブロードやローンが格安です。400~600円/m

✔️トマト セレクト館
出典:日暮里繊維街へ行こう

日暮里は服飾メーカーからの払い下げ生地は多いのですが、トマトはユザワヤやオカダヤのような手芸店と同様、手芸用に製造された生地がほとんどです。本店は手芸向けが多く、服作り用としてはイマイチですが、セレクト館は、綿のプリント物が豊富です。子供服、ブラウス用の生地はここがおすすめ。
380円/m~800円/mくらい

 

◉デニム

✔️トマト アーチ館

デニムはあまり日暮里で多く取り扱われていませんが、トマトアーチ館には常時30種類ほど並んでいます。500円〜/mぐらい

 

◉ウール

✔️長戸商店 別館

ジャケット用やコート用など、洋裁本格派には長戸商店の別館がオススメです。お話好きのおじさんとの会話も楽しい。1000円/m前後

 

◉リネン

✔️安田3丁目店

出典:日暮里繊維街へ行こう

残念ながら、リネンは日暮里でも安くありません。コットンが500円/m前後で手に入るのに比べて、リネンは1500円/m前後と割高です。安田商店は、カラーバリエーションが豊富で、上質なリネンを取り扱っています。

 

◉ニット

近年人気の高いニットソーイング。簡単スピーディーに作れますが、生地があまり出回っておらず、値段が高いのが難点です。日暮里では、ニットの扱い量が増えているようですが、布帛に比べると少なめです。

✔️パキラ
出典:日暮里繊維街へ行こう

おしゃれな生地が並んでいて、いつも混雑しています。

 

✔️長戸商店 2号館
出典:日暮里繊維街へ行こう

無地中心で、手頃な値段です。400円~/m

◉高級素材

✔️エレガンス

日暮里ではフルオーダーなどに使われる高価な生地はほとんど見かけませんが、エレガンスは高級生地の専門店です。他店とは値段が一桁違います。

海外ブランドから流通した生地もあり、グッチやアルマーニ、エミリオ・プッチなどの名前が並んでいます。ウェディングドレスやフォーマル用など、クオリティーの高い生地を探すならここがおすすめです。

 

◉激安生地

✔️トマト 本館

一階の入り口付近に100円/mコーナーがあります。素材が不明なので、洋服作りには不向きですが、サンプル作りには最適です。紙やシーチングよりも安いので、便利に使えます。

 

◉芯地

✔️長戸商店 本店

脇役ながら洋服作りの大事なポイントとなる芯地。手芸店では生地並みの値段がしますが、長戸商店では100円/mから入手できます。日暮里に行ったら、忘れずに買い足しておきましょう。

 


グルメスポット

馬賊

日暮里駅のロータリー前にある手打ち麺のラーメン屋。麺を力強く打つ音が響いています。おすすめは担々麺。12時台は混みます。

 

窯MARU

ロータリーから少し入ったところにあるカジュアルイタリアン。石焼窯で焼く本格派のピザが美味しいです。ランチは1000円未満。日暮里には一人で入りやすい店が少ないので、貴重な存在です。

 

羽二重団子

1819年創業の老舗団子屋。日暮里駅周辺に2店舗あります。ロータリー前にある新店舗でさっと休憩するも良し、数分の行ったところにある老舗店舗で、お庭を眺めながらゆっくりいただくのも良し。上品なあん団子が最高です。

出典:日暮里繊維街へ行こう

 


まとめ

日暮里で上手に生地を手に入れられれば、洋服代は既製品の1/10以下。ソーイングファンには、デパートよりも面白いお買い物スポットです。。地方からわざわざ訪れる人もいるほどの人気エリアですが、慣れないうちは買い物をするのが難しいかもしれません。

とにかく生地の数が多いので、効率よく目当てのものを見つけることが大切です。事前に生地のイメージをはっきりさせておき、店を絞って回りましょう。

その時に必要なものを、必要な分量だけ買うというのも大切なポイント。いつか使うかもと買いだめしてしまうと、家の中にどんどん生地が溜まってしまいます。そのシーズンの香りのするものだけを入手して、旬のうちに作品に仕上げたいですね。

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